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題名のない音楽会「日比谷公会堂さよなら音楽会」

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題名のない音楽会「日比谷公会堂さよなら音楽会」

演奏曲目
1.ショスタコーヴィチ/「ジャズ組曲 第2番」よりワルツ第2番
2.M.ムソルグスキー/「蚤の歌」
3.ショスタコーヴィチ/「交響曲第9番」 第1楽章
4.ブルッフ/「ヴァイオリン協奏曲 第1番」 第3楽章
 
バス: ジョン・ハオ
ヴァイオリン: 五嶋龍
指揮: 井上道義
演奏: 新日本フィルハーモニー交響楽団

収録/2016/02/12 
場所/日比谷公会堂

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 日本におけるクラシック音楽の礎を築いてきた日比谷公会堂が、今月末をもって休館します。取り壊しではないのですが、暫くはこのホールが使えなくなります。かつては戦前戦後を通して名だたる演奏家がこの舞台に立ち、また数々の日本初演を行ってきたのが日比谷公会堂です。カラヤンも1954年の初来日ではここで指揮しました。そんな、日比谷公会堂を忍んで、3月20日のテレ朝の「題名のない音楽会」は「日比谷公会堂さよなら音楽会」と題して放送されました。まあ、小生はこの日曜朝はまったく聴きません。もっぱらBSで放送される放送の方で視聴しています。で、この回のBS放送は3月27日に放送されました。タイミング的にはこちらの方がぴったりの内容です。

 今、日比谷公会堂でコンサートを聴いたことがあるという人はそう多くはいないんじゃないでしょうか。何しろ今では、東京文化会館やサントリーホール、東京オペラシティなど、東京にはすぐれたコンサートホールがいくつも誕生していますからねぇ。この日比谷公会堂は1929年に日本最初の公会堂として建設され、戦前、戦後を通して世界の音楽家が訪れた日本の重要なホールとして存在し続け、戦火も逃れた歴史ある建物です。メニューインやシャリアピン、ハイフェッツなど、伝説の巨匠たちがこの舞台に立っています。実際の収録は2月12日にこの回のもう一つ前の放送の「 アメリカン・クラシックの音楽会 」との2週分が収録されています。この日の指揮者は井上道義氏でした。どうも日比谷公会堂には井上道義氏が合うようで、このブログで以前取り上げたベートーヴェンの第9でも井上道義氏はこの会場で指揮しています。

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 この会の冒頭では、ショスタコーヴィチの「ジャズ組曲第2番」よりワルツ第2番が演奏されていました。指揮者の井上氏はコサック兵の出立ちでの指揮です。コサック兵の帽子がつるつるの頭ににあっていました。(^▽^;)

 

 次に演奏されたのはM.ムソルグスキーの「蚕の歌」です。この曲は大歌手シャリアピンが来日したとき披露した曲だそうで、このとき宿泊した帝国ホテルで出されたステーキが後にポピュラーになる「シャリアピンステーキ」だったそうです。さて、この曲は中国沈陽出身のバス歌手のジョン・ハオが見事に歌い上げていました。彼はベートーヴェンの第9でもバスを歌っていました。井上氏のお気に入りの歌手なんでしょう。

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 3曲目では、ふたたびショスタコーヴィチの交響曲第9番から第1楽章が演奏されています。井上道義氏は2007年、この日比谷公会堂でショスタコーヴッチの交響曲全曲演奏会を開催しています。まあ、そういう流れがあるのかこの交響曲第9番の登場となったわけでしょう。この曲はソビエト当局がベートーヴェンに匹敵する大曲を期待していた中で、ショスタコーヴッチは敢えて軽快でコミカルなこの曲で当局を皮肉りました。そして、この2月にもふたたびこの会場でショスタコーヴィチの交響曲第9番と第15番を指揮しています。ショスタコの交響曲の中でも小生の好きな曲で、井上氏の十八番なのでしょう、的確な指揮で音楽が生き生きしていました。

 

 最後はこの番組の司会者でもある五嶋龍が演奏に参加し、M.ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番」を演奏しました。

 

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 司会ではまだまだ精彩を欠く五嶋龍氏ですが、ヴァイオリンを手にしたら別人のように生きのいいブルッフを聴かせてくれました。




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