インタビュー 有働由美子
発行 PHP研究所
スクーターひとつ持って貨物船に乗り込み、初めてフランスに渡ってから、世界最高峰の指揮台に立つまで。西洋音楽に挑んだ半世紀を語る。各界一流のプロの半生をインタビューで解き明かす人物ドキュメント、NHKBSプレミアムで放送中の「100年インタビュー」。番組で語られた珠玉の言葉の単行本化、第6弾。 ---データベース---
NHK出版から出るならともかく、この本がPHP研究所から発売されたのが解せません。放送を見た人なら分ると思いますが、放送の中身を文字起こししただけの何の工夫も無い本です。大病をする前のインタビューですから、色々語ってはいますが既に類書で語られている内容が多く、新鮮みという点ではあまり期待出来ません。一番がっかりするのが、活字が大きく、行間も広く、情報量は少ないのには驚きました。B6版ですが、ポイントは9ポイントで、1ページは12行×36字で構成されていることを見てもらえればそれが理解できるでしょう。シニア世代にはやさしい本かもしれませんが、スカスカです。尚かつ、写真もかなり収録されてます。多分NHKの映像から再録したものでしょうか、画質が荒いのでグラビアを使用することはせず、本文に組み込まれています。これで、160ページに水増しして何とか単行本を構成しています。ゆっくり読んでも2時間あれば読めてしまいます。うーん、立ち読み用の本なんでしょうかね。
一応章立ては以下のようになっています。
プロローグ ウィーン国立歌劇場より
第1章 音楽監督という立場
第2章 サイトウ・キネン・オーケストラへの思い
第3章 指揮者とは
100年後のみなさんへ
小沢征爾プロフィール
第1章 音楽監督という立場
第2章 サイトウ・キネン・オーケストラへの思い
第3章 指揮者とは
100年後のみなさんへ
小沢征爾プロフィール
小生はNHKプレミアムをリアルタイムで見ていましたので、プロローグの部分が一番印象的でした。このシーンではウィーン国立歌劇場のオケピットが紹介されたのですが、このオケピは他の歌劇場に比べて大きかったのが印象的でした。そして、指揮台の譜面台でよく指をぶつけ、骨がズレているシーンがアップで映し出されたのは衝撃的でした。そして、曲がってしまった右手の指が指揮者の勲章のように輝いていたのが印象的なシーンでした。
まあ、本はデジタル的にシーンをぱらぱらめくりで読み返すことが出来るのがいいのでしょうが、この内容については映像でじっくり見ていった方がよく理解出来るのかもしれません。映像の方は本家のNHKから発売されています。
最後に「100年後のみなさんへ」という著者の言葉が掲載されていますが、そこで2つだけ変わって欲しいことがあると述べています。1つが、100年経ったら戦争が無くなっていてほしいということと、もうひとつは、ちょっと意味不明なんですが、みんながわかり合っている地球になって欲しいと述べています。まあ、この辺のところは、下記のインタビューの方が単刀直入に語っています。
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