Quantcast
Channel: geezenstacの森
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1415

名古屋芸術大学アンサンブル・フィラルモニク・ア・ヴァン第17回定期演奏会

$
0
0
名古屋芸術大学アンサンブル・フィラルモニク・ア・ヴァン第17回定期演奏会

演奏曲目
第1部---学生の作品による演奏
1.グリーグ/中村稔編---「ペールギュント」よりイングリードの嘆き
2.竹内規晃編---竹田の子守唄
3.ドヴァキン/下畝地美南風編---スカイリムより
第2部
4.バーンスタイン/グランドマン編---キャンディー度「序曲」
5.大栗裕/吹奏楽のための大阪俗謡による幻想曲
6.ジャパニーズ・グラフィティ17---美空ひばりメロディ/星出尚志
7.ジャパニーズ・グラフィティ---弾厚作作品集/磯崎敦博編
8.カーペンターズ・フォーエヴァー---真島俊夫編
指揮/小野川昭博
第3部
9.ヤン・ヴァンデル・ロースト/マンハッタン・ピクチャーズ
10.プロコフィエフ/ヤン・デ・メイ編--バレエ組曲「ロメオとジュリエット」
11.ヤン・ヴァンデル・ロースト/「ボルケーノ」
アンコール
プロコフィエフ/組曲「3つのオレンジの恋」よりスケルツォ

指揮/ヤン・ヴァンデル・ロースト
演奏/名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ

日時/2016年2月20日(土)14:00開演(13:30開場)

会場/名古屋芸術大学音楽学部3号館ホール

イメージ 1


 今日は生憎の雨でしたが、楽しみにしていた「名古屋芸術大学アンサンブル・フィラルモニク・ア・ヴァン第17回定期演奏会」へ行って来ました。これは北名古屋市の北名古屋市民芸術劇場の催しとして開催されたコンサートで、予想に反して満員の大盛況でした。いえば、世界的作曲家のヤン・ヴァンデル・ローストの指揮と作品が生で鑑賞出来るのですからこういう機会は滅多にありませんからね。いつもは一人でコンサートに出掛けるのですが、先日叔母の家に行った時、このコンサートの話をしたらいきたいということだったので今年はおふくろや妹も帯同して出掛けることにしました。

 最初の3曲はアンサンブルのメンバーによる編曲作品の披露です。まあ、授業の一環で編曲をしたのでしょう。なかなか見事な編曲でそれぞれの楽曲の特性を生かしたアレンジで聴かせてくれました。作品的には素材としての「竹田の子守唄」が素朴にメロディを楽器を替え編成を替えての見事なオーケストレーションで多彩な表現を盛り込んでいて楽しめました。3曲目の「スカイリム」はゲーマーの人なら知っているでしょうが、同名のゲームの音楽をシンフォニックにアレンジしています。オリジナルはドラゴン語(架空の原語)で歌われていますが、まあ、こんな曲です。ちょっと「パイレーツ・オブ・カリビアン」に似ています。

 

 さて、第2部からは本格的なアレンジによる演奏です。その最初はバーンスタインの「キャンディー度」序曲です。もともとパーカッションも多用された曲ですから吹奏楽用のアレンジもそれほど違和感はありません。

イメージ 2


 舞台上、下手には数々の打楽器が用意されていますがこれらがすべて活躍します。原曲は1970年に作曲された管弦楽のための作品ですが、これを1980年に大阪府立淀川工業高等学校吹奏楽部が演奏して全日本吹奏楽コンクール全国大会に優勝したことがきっかけで一気に知られるようになった作品です。貼付けてあるのはその1980年の淀川工業高等学校吹奏楽部の演奏です。

 

 次からの3曲はリラックスした雰囲気を持ったポップスのメドレーでお客さんもみな身体を動かして懐かしのメロディに酔いしれていました。しかし、演奏している学生達は美空ひばりをリアルタイムではもう知らない世代なんですなぁ。美空ひばりメドレーは愛燦燦 リンゴ追分 お祭りマンボ 川の流れのようにが演奏されています。

 

 弾厚作というのはいわずと知れた加山雄三のことですが、今の若者は「弾厚作」は知らないようです。このニックネーム、團伊玖磨と山田耕筰からとったものだということ知ってました?ここでは 君といつまでも、お嫁においで、そしてサライが演奏されました。ヒット曲が多いのにたった3曲はちょっと寂しいですなぁ。 

 

 こちらも今の若い人は馴染みの無いかペンターズのメドレーです。演奏されるのはシング~愛のプレリュード~トップ・オブ・ザ・ワールド~遥かなる影~スーパースター~ふたり誓いという曲目です。私らの世代は懐かしく聴かせてもらいました。

 

 休憩後は、メインディッシュです。最初と最後はヴァンデルローストの作品です。「マンハッタン・ビクチャーズ」は色彩豊かな4つの楽章を用いて、エネルギッシュな他民族都市であるニューヨーク・マンハッタンの生活を描いています。最初の楽章「アレグロ・デチーゾ」は非常に決然かつリズミカルな作りになっていて、要所に鋭い不協和音のコードを挟み込み、アクセントをつけています。続く第2楽章「ヴィヴァーチェ」では様々な音楽的要素が色彩豊かな音のカーテンとなって積み重なり、最上部で金管セクションが包容力のあるテーマを奏でています。第3楽章「メスト」では、楽章の名前(メスト=悲しみ)のとおり、最初の2つの楽章とは対照的な非常に静かな楽章となっています。フルート、クラリネット、オーボエが重要な役割を占める幅広いメロディーが聴かれると、続いてオーケストラがまるで映画のようなトゥッティを厳然と奏でます。そして、特徴的な音型で始まる最終楽章「プレスト」で、最初の2つの楽章が持っていた勢いとダイナミックなスタイルを取り戻します。4楽章形式の音画ですな。

 

 次はいわずと知れたプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」です。ここではヤン・デ・メイの編曲ということで、組曲ながらいきなりSOFT BANKのCMで知られるようになったモンタギュー家とキャビレット家の音楽で始まります。曲目は、導入曲、街の目覚め、朝の踊り、修道士ローレンス、客人達の登場、モンタギュー家とキャピレット家が演奏されました。

 

  さて、最後はヤン・ヴァンデルローストの「ボルケーノ」です。エンディンゲン市民音楽団の創立250周年を記念して作曲され、2003年4月に作曲者の指揮で初演された作品です。エンディンゲン市にあるカイザーシュテュール山が、その昔火山(ヴォルケーノ - Volcanoは火山の意)であったことからそのタイトルがつけられました。最初は小太鼓のソロから始まり、火山の噴火を圧倒的な音量で響き渡ります。大太鼓、ティンパニに加え、チューブラーベルズやゴング、更には左端にある鉄板まで鳴り響きます。

 

 2時間半にも及ぶコンサートは非常に充実していました。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 1415

Trending Articles