曲目/モーツァルト
CD:1
交響曲 第39番 変ホ長調 K.543
1. 第1楽章 Adagio-Allegro 9:11
2. 第2楽章 Andante con moto 7:56
3. 第3楽章 Menuetto:Allegretto 3:31
4. 第4楽章 Allegro 5:16
交響曲 第40番 ト短調 K.550
5. 第1楽章 Molto allegro 7:54
6. 第2楽章 Andante 7:26
7. 第3楽章 Menuetto:Allegretto 3:57
8. 第4楽章 Allegro assai 6:34
CD:2
交響曲 第41番 ハ長調 K.551≪ジュピター≫
1. 第1楽章 Allegro vivace 10:58 2. 第2楽章 Andante cantabile 6:46
3. 第3楽章 Menuetto:Allegretto 4:26
4. 第4楽章 Molto allegro 8:33
5. 歌劇≪フィガロの結婚≫ K.492 序曲 4:09
指揮/井上道義
演奏/オーケストラ・アンサンブル金沢
演奏/オーケストラ・アンサンブル金沢
録音/2007年3/6-8、
2007/02/25* 石川県立音楽堂
P:桜井卓
E:野田智子
2007/02/25* 石川県立音楽堂
P:桜井卓
E:野田智子
Avex Classics AVCL-25155/6
ここ最近聴いているモーツァルトの一枚です。というか、モーツァルトを聴き始めた最初の一枚でした。このモーツァルトは井上道義のデビュー録音でもあります。1975年に録音したザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団との録音がモーツァルトの交響曲40番他でした。その井上道義が岩城宏之の後任としてオーケストラ・アンサンブル金沢の常任についた時のプログラムがこのモーツァルトの3曲の交響曲でした。で、それは岩城宏之氏がこのオーケストラ・アンサンブル金沢を立ち上げた最初のコンサートで演奏した曲でもあるのです。つまりは、急逝した岩城氏に代わって第2代音楽監督に就任した井上道義の岩城氏へのオマージュであり、オーケストラと新たな出発へ向けた宣言でもあるわけなのです。
そんな意味合いを込めたディスクということで、期待して聴いたのですが、これがちょっと期待はずれとなってしまいました。どうもテンポがしっくり来なくて、また表現が音の粒を際立たせるという手法をとっているためか、音楽がぶつぶつに切れていてまるで、カラヤンのレガート奏法の対極にあるような演奏です。室内オーケストラということもあるのでしょうが、すっきりとした響きなのでよけいアクセントの強調がストレートに伝わって来ます。アンサンブルは見事なんですが、これがモーツァルトといわれるとちょっとひっかかります。こんな響きじゃないはずだと、同じ室内管弦楽団の規模のザルツブルグモーツァルテウムを指揮したハンス・グラーフの演奏と聴き競べをしたのですが、まさに雲泥の差の違いにびっくりです。グラーフの解釈は音楽の流れが自然で、そのオーケストラの響きも伝統がそうさせるのか安心して聴いていられるモーツァルトの響きがあります。
世間の人はこの演奏をどう捉えているのか、ネットで評判を調べましたが、ほとんどこの演奏を取り上げていません。余り話題にならなかったのでしょうか。井上道義氏はデビューのザルツブルグモーツァルテウムを指揮した演奏では40番はクラリネット無しの版で演奏していましたが、ここではクラリネット入りで演奏しています。まあ、聴いてみて下さい。
不思議なもので、波長が合わないということがあるのでしょうか。このディスクで聴いた3曲とも小生の波長に合わないもので、どうにも聴いていてすわりの悪いものでした。