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第14回 名古屋音楽大学打楽器アンサンブル演奏会

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第14回 名古屋音楽大学打楽器アンサンブル演奏会

演奏曲目
1.クリストファー・ルーセ/KU-KA-ILIMOKU
2.ルッジャー・パワザール/Sculpture in wood
3.エドガー・ヴァレーズ/イオニゼーション
4.エッカード・コペツキ/マリンバ・ミュージック
5.山澤洋之/月迷宮/大神
--休憩--
6.ハンドパンと6つの打楽器のための「夜に」/西田尚史
7.ヴィヴァルディ/「四季」より冬
8.ムソルグスキー/展覧会の絵より

演奏/名古屋音楽大学打楽コース生

日時/2016年2月28日(土)14:00開演(13:30開場)

会場/名古屋音楽大学成徳館12階ホール

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 ネットで検索してこのコンサートの開催を知り出掛けてみました。チラシではスペシャルゲストで吉原すみれ氏が登場とあったので期待していったのですが、残念ながらコンサート直前に転倒して左足を骨折し手術、入院ということでプログラムが変更になっていました。残念ですが、一日も早い回復をお祈りします。何しろ日本打楽器界の第一人者ですからね。

 会場の名古屋音楽大学成徳館12階ホールは初めての会場でした。何しろ会場が12階で、2機のエレベーターか階段しかないのですから入場までには時間が掛かります。このホールは正方形のホールで、三角の角の部分がステージになっています。ですから、観客席は3方からステージを臨めます。こういうコンサートにはうってつけのホール形状でしょう。この日は天気もよく、風も無い穏やかな日和で何よりでした。

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 打楽器だけのアンサンブルというのは初めての体験でしたが、なかなかエキサイティングで興奮しました。ここは桐朋学園の中にありますから中学、高校の学生の姿も多く見られ華やいだ雰囲気のコンサートでした。

 オープニングの「KU-KA-ILIMOKU」はハワイの戦争の神の名前で、この曲は戦いに赴く戦士達のまつりの情景を描いています。4人のパーカッショニストによるダイナミックな演奏でいきなり盛り上がります。

 

 次はマリンバ4台による「Sculpture in wood」です。1995年に作曲された酸性雨で形が変化していく樹木の様子を描いているそうです。メロディはシンプルですがその主題が変奏で発展していき多彩な変化の中でマリンバの音色が拡大と変容を遂げていきます。なかなか神秘的な響きの曲です。

 

 3曲目はよく知られたエドガー・ヴァレーズの「イオニゼーション」です。よく知られていると書いたのは小生がクラシックを聴き始めた頃、ズービン・メータがロサンゼルス・フィルとこのヴァレーズの作品集を録音したレコードを発売したからです。ただ、曲名だけはインプットされたのですが、実際の曲を聴いたのはこれが初めての体験です。この「イオニザシオン」は、西洋芸術音楽初の打楽器とサイレンだけのための曲です。13人の奏者で演奏されますが、変拍子ですから、さすがにこの曲は指揮者がいないと統制が取れないようで指揮者を立てていました。確かに前衛的な作品ですが、何処となく懐かしさもありました。ピアノも使われていて、そうか、ピアノも打鍵ということでは打楽器の花中になるのだと納得してしまいました。でも、ここで使われるピアノは音階を持っていません。そのピアノの打音が消えていく様がこの曲のコーダです。

 

 次の曲は中高生のためのアンサンブルコンクールでよく演奏される曲なんだそうで、調べてみると確かにネットではたくさんの音源がアップされています。月の魔力を持つ狼(大神)をイメージした曲ということで、打楽器三重奏で演奏されます。言ってみれば「もののけ姫」の世界ですな。

 

 後半の一曲目にはちよっと変わった『ハンドパンと6つの打楽器のための「夜に」』が演奏されました。このハンドパンというのは2001年スイスで開発された楽器で、もっとも新しい楽器の一つです。ちょっと見、UFOのような形をしています。

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 舞台上、下ではこの楽器を股の間に挟んで演奏します。底面に穴があいており、叩くことによってへこみの大きさで音階を奏でることが出来ます。この曲は演奏者の一人、西田尚史君が作曲したもので、ハンドパンと打楽器アンサンブルの曲としては世界初ということです。本来の音はスターウォーズのカンティナ・バンドの演奏する酒場の音楽で登場するスティールドラムのような音です。下はその原型ともいえる編成での演奏ですが、今回は打楽器アンサンブルが拡大された版で演奏されました。これは実際のステージで聴くが一番で、本ステージ上の3人と、客席の左右の後方席、そして後方中央とに配置された合計6人の奏者によって演奏されますから音場は360度です。後方には写真のような楽器が配置されていました。

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 最後の2曲はクラシック作品からの編曲です。最初はヴィヴァルディの「四季」から冬です。マリンバ7台によるアレンジでの演奏です。今では「四季」は様々な形にアレンジされて演奏されているのでそうそうはびっくりしません。小生の手持ちには「琴によるアレンジの四季がありますが、雰囲気としてはそれに似たものがありました。それにつけても、これだけのマリンバで演奏される四季も聴きごたえがあります。ちょいと編成は違いますが下のような感じの演奏でした。

 

 さて、メインともいうべきはムソルグスキーの「展覧会の絵」です。ここでは全曲が演奏されたわけではありませんが、ラヴェルのアレンジをベースにそれをマリンバと打楽器のために編曲された版で演奏されました。プロムナード、古城、プロムナード、リモージュの市場、カタコンブ、バーハーヤーガの小屋、キエフの大門というダイジェストでしたが、マリンバ10台という迫力は大したものです。ここに数々の打楽器が絡みますから通常のオーケストラ版では味わうことの出来ない響きを堪能することが出来ます。まあ、こういう演奏は実際に聴いてみないとその醍醐味は分らないでしょうなぁ。雰囲気的には下のような演奏です。でも、迫力はまったく違います。

 

 
 音楽には色々な表現方法がありますが、打楽器だけのアンサンブルでも、2時間半にも及ぶコンサートは非常に充実していました。もちろんアンコールもありましたが、多分この演奏会の模様は近いうちにYouTubeでアップされるのではないでしょうか。楽しみです。

 最後の映像は昨年のコンサートの模様を収録したものです。昨年の演奏会では「ウエストサイド物語」が演奏されています。

 

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